不活化ワクチンと生ワクチン、何が違うの?

今年もインフルエンザワクチンや新型コロナワクチンの予防接種の時期がやってまいりました。

ワクチンにはいろいろな種類がありますが、中でも「不活化ワクチン」と「生ワクチン」という言葉をお聞きになったことがあるかと思います。

「どちらもワクチンなのに、何が違うの?」
「薬を飲んでいるけど、生ワクチンを受けても大丈夫?」

今回は、不活化ワクチンと生ワクチンの違いについて、わかりやすく解説します。

🔳そもそもワクチンとは?

ワクチンは、ウイルスや細菌などの病原体に対して、私たちの体があらかじめ「免疫」を準備しておくためのものです。

実際に感染する前に病原体の特徴を免疫に覚えさせておくことで、感染を予防したり、感染した場合の重症化を防いだりする効果が期待できます。

その「免疫に覚えさせる方法」の違いによって、ワクチンはいくつかの種類に分けられています。

🔳不活化ワクチンとは?

不活化ワクチンは、病原体の感染する能力をなくしたものや、病原体の一部などを利用して免疫をつけるワクチンです。病原体そのものではないため、体内で増殖することはありません。

代表的なものには、

  • 季節性インフルエンザワクチン(注射)
  • 肺炎球菌ワクチン
  • B型肝炎ワクチン
  • 日本脳炎ワクチン
  • 帯状疱疹ワクチン(シングリックス)

などがあります。

一般的に生ワクチンと比較すると、免疫を十分につけるために複数回の接種や追加接種が必要になることがあります。

🔳生ワクチンとは?

生ワクチンは、病原体の病気を起こす力を弱めた状態で使用するワクチンです。

弱毒化された病原体が体内である程度増えることで、実際に感染したときに近い免疫反応を起こします。

代表的なものには、

  • インフルエンザワクチン(噴霧式)
  • 麻しん・風しん混合(MR)ワクチン
  • 水痘ワクチン
  • おたふくかぜワクチン
  • BCG
  • ロタウイルスワクチン

などがあります。

比較的しっかりとした免疫を得やすいことが特徴です。

🔳一番大きな違いは「体内で増えるかどうか」

簡単にまとめると、

不活化ワクチン → 病原体は体内で増えません。

生ワクチン → 弱毒化された病原体が体内である程度増えることで免疫をつけます。

この違いが、ワクチンを接種するときの注意点にも関係します。生ワクチンは接種後にそのウィルスによる症状がでる可能性があります。

また、帯状疱疹ワクチンやインフルエンザワクチンのように、同じ病気を予防するワクチンでも「生ワクチン」と「不活化ワクチン」があるものもあります。

🔳生ワクチンは「免疫を抑える治療」に注意

特に注意したいのが、免疫の働きを抑える薬を使用している方です。

例えば、関節リウマチなどでは、

・ステロイド
・メトトレキサート(MTX)
・生物学的製剤
・JAK阻害薬

など、免疫機能に影響する薬が使用されることがあります。

生ワクチンは弱毒化されているとはいえ、生きた病原体を利用しています。そのため、免疫機能が大きく低下している状態では、安全性の問題から接種できない場合があります。

一方、不活化ワクチンは病原体が体内で増殖しないため、免疫抑制治療中でも接種できるものがあります。ただし、治療内容によってはワクチンの効果が十分に得られない場合もあります。

現在お薬を内服中の方でワクチン接種を受ける場合は、生ワクチンの接種が可能かどうか主治医に確認していただくのが良いと思います。

まとめ

不活化ワクチンと生ワクチンの大きな違いは、病原体が体内で増殖する可能性があるかどうかです。

不活化ワクチンは病原体を不活化したものやその一部などを利用し、生ワクチンは病原体を弱毒化して利用します。

特に、関節リウマチなどで免疫を抑える薬を使用している方では、生ワクチンの接種に注意が必要です。

「この薬を飲んでいるけれど、ワクチンを接種して大丈夫かな?」

と心配な場合は、自己判断せず、接種前に主治医へ相談しましょう。

2026年10月01日