関節リウマチ

関節リウマチとは

免疫系の異常により起こりますが、いまだにその原因は特定されていません。遺伝的な要因に加え、感染、タバコ、歯周病、妊娠に伴うホルモンの変化などをきっかけに発症すると考えられています。体の手足のさまざまな関節に炎症を起こし、滑膜が増殖して関節の中を傷めます。進行すると関節の変形をきたし、日常生活に大きな悪影響を及ぼす可能性のある疾患です。 残念ながら、治癒させる方法は分かっていません。

関節リウマチと肺

関節リウマチは手足のみならず、関節外症状として特に間質性肺炎という疾患を伴うこともしばしばあります。一般的に、関節リウマチという病気が肺の病気と結びつくイメージはないと思いますが、切っても切れない関係と言えます。増悪すると命に関わる場合もありますので、常に念頭においてチェックする必要があります。

関節リウマチと妊娠・出産

妊娠可能年齢でのリウマチの治療はとくに注意が必要です。リウマチの状態が悪いと妊娠しにくかったり、流産する可能性が高くなるというデータが出ていますし、妊娠中には使える薬、使えない薬がありますので、慎重に治療方針を検討しなければなりません。

高齢者のリウマチ

高齢化に伴い、高齢で発症するリウマチ患者さんも増えています。高齢者ではさまざまな病気をかかえていることが多く、内臓も弱ってきていることがあるので、使う薬を慎重に選択し、副作用により注意する必要があります。

関節リウマチの診断

世界共通の診断のための指針がありますが、最終的にはリウマチ専門医による判断が望ましいと考えられます。
症状として関節の腫れや痛みがあることが前提ですので、患部を触って診察することが必要です。検査としては単純レントゲン、血液検査や超音波検査を行います。
薬を使う上でチェックすべき項目があり、必要に応じて大きな病院で精密検査を受けていただく場合があります。

関節リウマチの治療

関節リウマチは、残念ながら体から消え去らせることはできない病気です。さまざまな薬を適切に使って、”コントロールする”ことが重要です。なぜコントロールする必要があるかというと、リウマチの勢いが強いままにしておくと関節の変形をきたし、日常生活へ大きな悪影響を及ぼす可能性があるからです。
治療を行う上でもっとも重要なことは、医師と患者さんとの間で情報を共有し、話合いのもと治療方針を決定することとされています。とは言え、専門的なことは患者さんには分からないことが多いので、できるだけわかりやすく説明することを心掛けています。リウマチの薬は免疫抑制剤という特殊なものとなり、注意すべき点を理解していただいた上で、治療を行います。「病気を抑えること」と「薬の副作用の監視」が、関節リウマチ治療の大切な両輪と言えます。