理学療法士の谷口です。
今回は当院で行なっている野球肘のリハビリの実際の内容についてお話しします。
まずやることは、なぜ野球肘になったのか?という原因を探ることです。
そのために一番大事にしていること、それは『問診』です。

「病院で問診なんて当たり前だ」と思われるかもしれませんが、おそらくみなさんが思われているよりかなり詳細に聞きます。
肘の症状で当院を受診される野球選手のほとんどはオーバーユース、いわゆる投げ過ぎによって生じています。
しかしそれ以外にもポジションやチームメイトの人数、練習や試合の頻度、最近の身長や体重の変化など、痛みにつながる可能性のある要因を問診により探っていきます。

※問診例↓↓(ほんの一例です)
●いつどういう時(試合中、どんな練習中)に痛くなったのか?
●今どうすると痛いのか?
●これまで同じようなケガはあったのか?
●投げるどの時にどこが痛いのか?
●ポジションはどこを守ることが多いのか?
●バッティングでも痛いのか?
●練習の頻度は?
●チームメイトは何人いるのか?
●試合、大会の予定は?
●身長、体重はどう変化している?
もしその中で野球肘につながりそうなことがあれば、治療の中でその説明をさせていただいています。
野球肘になる原因が分かれば、そうならないような対策も自ずと見えてくるからです。
野球での傷害を乗り越えまた思い切り野球ができるようになるためには、選手である子どもだけで解決するのは難しく、ご両親や指導者の方々もご理解いただき再発防止に向けて協力していただくことが重要と考えます。
できる限り選手の思いを汲んだ復帰プランを考えていきますので、来院された際は自分の思いや考えを遠慮なくぶつけてください!
次からは実際の治療やチェックの方法を紹介していきます。ぜひそちらも目を通してみてください。
今回は、野球肘について解説いたします。
一度に話をすると長くなるので、何回かに分けたいと思います。
野球肘とは、繰り返しボールを投げる動作で生じる肘関節の障害です。
とくに成長期である小学生から中学生にかけて起こります。
ある調査では病院を受診した野球少年の症状のうち、小学生で約80%、中学生で約55%が肘の痛みがあったという結果がでています。
野球肘の痛みは投球動作の際に起こり、日常生活における動作ではあまり問題になることはありません。
『野球ボールを投げる』という動作は、ヒトの体、特に肩や肘にとっては不自然で強いストレスがかかります。

この投げる動作を繰り返すことによって小さな傷が蓄積し、ついには痛みが出てきてしまいます。
では、肘にはどのようなことが起こっているのでしょうか。
大きく分けると、内側と外側に分けられ、それぞれ起こっていることが違います。
肘関節は、上側(肩側)は上腕骨、下側(手側)は尺骨と橈骨という骨で構成されています。

外側では骨同士(上腕骨と橈骨)がぶつかるような動きとなり、内側では骨(上腕骨と尺骨)が離れる方向に動きます。
この動きがストレスとなり、繰り返されることによって肘を傷めてしまいます。
外側では、上腕骨側の軟骨の損傷を生じ、内側では上腕骨の成長軟骨や靭帯を損傷します。
とくに外側の軟骨損傷は進んでしまうと将来にも障害が残ってしまうので、しっかりした対処が必要となります。

外側での軟骨の損傷を「離断性骨軟骨炎」、内側を「成長軟骨損傷、裂離骨折、内側側副靭帯損傷(状態によって変わります)」という診断名になります。

離断性骨軟骨炎は、初期の段階であれば90%以上で手術をしなくても治りますが、終末期だと手術が必要になります。
早期診断、早期治療が重要ですが、初期段階の半分は無症状です。
とくにピッチャーとして頑張っている場合、症状がなくても定期的に検診を受けていただいたほうが良いと考えられます。

内側の傷害の場合は、基本的に投球中止、安静で回復しますが、写真のような骨折を生じている場合はしばらく関節を動かさないように固定をする必要があります。
野球肘において最も重要なことは、当たり前ですが予防することです。
そのために、やはり投球数制限と正しい投球フォームを習得することが必要です。
正しい、肘を傷めにくいフォームを身に着けるためには、筋力や関節の柔軟性が重要になります。
小学~中学生はとくに筋力がまだ弱く、成長に従って関節が固くなっていきますので投球フォームが乱れてストレスがかかりがちです。
次の投稿では、理学療法士よりリハビリなどを解説してもらいます。

院長です。
みなさんは「とっても健康ランド」というテレビ番組をご存じですか?
土曜日の10時から15分のみの放送なので、なかなかご覧になることはなかったかもしれませんね。
1998年から始まったKBCの医療情報番組ですが、今年9月28日の放送をもって終了となっています。26年間も放送を続けたというのはすごいですね(放送回数は1333回とのことです)。
毎回日替わりで医師が出演し専門分野の解説を行うのですが、わたしも以前お声がけいただきこの番組に出演したことがあります。
2018年、九州医療センターに勤務していた頃に外反母趾についてというテーマでお話をさせていただきました。

残念ながら動画としては残っておらず、妻がテレビ越しにとったこの写真の画像しかありませんでした。
ほとんどぶっつけ本番で台本もなく、初めてのテレビ撮影だったので緊張したのを覚えています。
自分が出演させていただた番組が終了したというのは少し寂しい気がします。また地元密着型の医療情報番組が始まればいいなと期待しています。