超音波(エコー)検査をご存じでしょうか。従来から、心臓の動きやおなかの中などをみる検査としてよく使われてきました。

近年、技術の発達で画像が鮮明になったことで細かい血管や神経なども見えるようになり、また機械自体もコンパクトになって外来の診察室で手軽に行えるようになったことで様々な用途で使われるようになっています。
超音波検査の利点として大きく2つあり、1つは手軽にすぐ行えること、もう1つは患者様に害がないことです。プローブという部分を見たい部分に当てるだけなので痛みもなくお子様にも行いやすく、レントゲンのように放射線も使いません。それでいて診断や治療に大きな威力を発揮することができるため、非常にすぐれた検査方法と言えます。
整形外科で見ることが多い手や足はそれほど深くないので、小さなプローブで血管、神経、筋肉、腱など様々なものを確認することができますので、診断と治療に使える場合が多くあります。
*すべての血管、神経が見えるわけではありません。
超音波検査による診断について
まず、「腫瘤(できもの)」を確認することができます。最も多いのはガングリオンです。確定診断ではありませんが、大体見当がつきます。また、筋肉などある程度深いところにできた腫瘍も見つけられる場合があります。次に炎症をとらえることができます。ある程度強い炎症であることが必要ですが、つかいすぎによる筋肉や腱の炎症や関節内の炎症を評価することができます。ケガの時も、肉離れや打撲では出血が起こっていないかどうか、何かが刺さった場合は中に異物が残っていないかを確認することができます。
手や足といった皮膚が薄い部分は超音波の得意な場所です。手ではガングリオンや腱鞘炎、足では足首の捻挫のときに靭帯の損傷具合をみることができます。アキレス腱断裂もはっきりと見えます。




関節リウマチでは、関節の中の炎症(滑膜炎)をみることで、病気の活動性を評価することができます。

超音波検査を使った治療について
治療としては、注射のときに有用です。筋肉、関節、腱、血管、(ある程度大きな)神経が見えますので、目で見てねらったり避けたりすることができます。これまで大体この位置にあるというある意味大雑把な位置に注射をすることが一般的だったのですが、超音波を使うことで正確に注射をすることができます。筋肉と筋肉の間を生理食塩水で剥がす、ハイドロリリースという手技も超音波によって可能となりました。

このように、超音波検査は非常に有用であり、かつ患者様フレンドリーといえます。これからももっと習熟度を上げて診療に役立てていきたいと考えています。