成長期の骨について

今回は成長期の骨についてお話いたします。

みなさんは骨端線(こったんせん)という言葉をお聞きになったことはありますか?成長軟骨板ともいわれますが、骨の端にある軟骨組織で、成長期にはこの組織が増殖することで骨が伸び、身長と手足が伸びていきます。レントゲン写真では、骨の中にすきまとして見えます。

成長が完了した大人には骨端線はありません。骨端線が残っている間はまだ身長が伸びる可能性があるということになります。

骨端線をケガする場合もあり、骨端線損傷といって成長期ならではのケガになります。重症であると骨の成長に影響を及ぼす可能性があります。

また、成長期ならではのケガに「若木骨折」とうものがあります。若い木の枝は柔らかく、折り曲げてもぐにゃっと曲がります。成長期の骨もまだ柔らかく、ボキっと折れずに見た目はほとんど変わらない折れ方をすることがあります。手首に起こることが多い骨折です。

成長期のお子さんは、大人とはまた違ったケガの仕方をする場合があり、対応も変わることがあります。また若木骨折のようにわかりにくい骨折を生じてあとから骨折が判明することもあり、慎重に診察や経過観察を行うことが重要です。

成長期の骨折は大人よりも早くみるみるよくなっていくので、毎回レントゲンを見るのが楽しみです。

2025年06月02日