こんにちは!理学療法士の谷口です。
前回の野球肘の紹介ブログでは『問診』について紹介しました。次は実際に状態のチェックや治療に進んでいきます。
野球肘の選手に対しては様々な方向からアプローチをすることが多いのですが、今回はその中でも特に重要な局所の症状のチェックについて紹介します。
局所の症状というのは痛みが出ている『肘』の状態について調べることです。
局所症状をチェックすると肘がどのような状態なのか分かり、治療の進み具合の判断基準になります。
この局所症状が残っているうちに投球を許可することはほとんどありません。
膝の痛みが強くて炎症が起こっているのに、長距離の歩行や階段の昇り降りを勧めることはありませんよね?
それと同じで肘のチェックで痛みが出ているのに、さらに負担のかかる投球動作をしてしまうと痛みが出てくるのは当然です。
そのため、リハビリを進めて行く中で、いざ投げ始めるというタイミングの時は、肘の局所症状が無くなっているというのが前提条件となります。
では実際に局所症状のチェックはどのように行うのか、いくつか紹介します。
【肘の圧痛】
肘の周囲の靭帯や筋肉、軟骨の場所を押して痛みを確認します。
痛みの場所を特定するときに非常に役立つので、毎回確認する検査方法です。
【肘の屈伸】
投げるときに痛い選手は、肘の曲げ伸ばしだけでも痛みを訴えることがよくあります。
痛みが強いケースでは『曲げづらい』『伸ばしづらい』など関節の動きに左右差がある場合が多いです。
【外反ストレステスト】
肘を外側に捻ることで、投げる時と似たようなストレスを肘にかけることができます。
投げるときに痛みが出る選手は、外反ストレステストで痛みや怖さを訴えるケースが多いです。
【MERテスト】
MERテストは、より投げるときの動きを再現したテストです。
投げる時と同様に、肩の捻りの動きと同時に肘の外反ストレスをかけて痛みの有無を調べます。
肩の動きが硬い選手は特に疼痛が出やすいので注意が必要です。
もっと色々な検査方法はありますが、今回紹介した検査は、特に投げる時の判断基準になる検査方法です。
レントゲンや投球を休んだ期間なども考慮しますが、これらの検査をクリアしたら投球を開始しています。
次回は肘以外の全身のチェック方法を紹介しますので、ぜひそちらもご覧ください!